インサイトとは?
直訳すると「洞察力」。
マーケティング用語としては、消費者がもつ潜在ニーズを分析し、購買欲求の核心をつくことを指す。
ウェブサイトの導線設計
前回は、「情報化社会となって久しい昨今では、ネット上で情報を得ようとする人は、欲しい情報が見つからなければ、すぐに離脱し、他のサイトへ移動するのが当たり前」という内容をお伝えしました。
しかし、悲観的になる必要はありません。このことを理解すれば、やるべき重要な手順が見えてきます。
ウェブサイトのデザインを例に考えてみましょう。整骨院の例でご紹介しましたが、困っている人ほど「すぐに治したい」という欲求に駆られています。このような切迫した状況や背景を無視してウェブサイトを設計することは、無頓着といえるでしょう。顧客にどういう背景や課題感があって、インターネットで検索し、あなたのサイトに至るのか、このことを入念に想定することが重要です。
ペルソナ設定がカギ
このようにデジタルマーケティングとは、いわば徹底的に顧客目線で考えること。そして、デジタル技術を駆使して売れる仕組みを実現することに他なりません。
ここでは、少し専門用語を学んでみたいと思います。ターゲットという言葉がありますが、デジタルマーケティングでは、もっと深く、その人の背景やストーリーを踏まえたターゲットとして、「ペルソナ」という言葉を多く使います。なぜ「ターゲット」ではなく、背景やストーリーまでも含めた「ペルソナ」なのかといえば、それは顧客の理解こそが、信用信頼への道であり、ビジネスを成立させやすいからです。
たとえば、整骨院には、肩こりに困っている方への問題解決と、正しい姿勢になりたいと思う方への問題解決の2種類のソリューションがありました。しかし、この2つは同じ整骨院ながら、まったく異なるビジネスモデルに見えます。肩こりに悩んでいるのは、30~40代の働き盛りの男性かもしれません。また、正しい姿勢になりたいのは、20代女性の顧客かもしれません。これらのペルソナはまったく違うものです。当然、導線設計も異なっていれば、顧客への語り口も異なっているべきでしょう。ペルソナが変われば、いろいろなものが変わります。
スマートフォンを持っている人なら、SNSが生活にも浸透しているでしょう。とくにInstagramは、写真をシェアするSNSとして多くの女性に支持されています。先ほどの、正しい姿勢になりたいと思う20代の女性は、「きっとInstagramを使っているはずだ」という設定は正しいアプローチです。
そこで導線の入口は、Instagramから行う。そのような設計ができるのです。こうなると、ウェブサイトは流入の入り口ではなく、SNSの次を担う導線の一部という流れも見えてくるのです。ペルソナの設定次第で、さまざまな導線が変わります。
次回は「ビジネス利用のSNS」をテーマに、お話ししてみたいと思います。