岡 秀樹 - COWORKING EVANGELIST BLOG -

【寄稿】こうすれば成功する!デジタルマーケティング(2)

【寄稿】こうすれば成功する!デジタルマーケティング(2)

顧客体験を追求し、商機を失うな!「カスタマージャーニー」

これまで述べてきた通り、デジタルマーケティングとは、徹底的に顧客視点に立ち、購入に至らしめる仕組みをつくることに他なりません。顧客に商品やサービスを購入してもらうためには、顧客の心理や感情の理解が最も大切です。「一体顧客はどのようなタイミングで行動(購買)をとるのでしょうか?」「そのときの心理状態はどのようなものでしょうか?」――それらをつなぎ合わせ、コンテンツ作成や効果的な導線設計を行うためのフレームワークが、「カスタマージャーニー」といわれるものです。

カスタマージャーニーマップとは、顧客(ペルソナ)の感情や行動を「旅」に見立てたもので、時系列に沿って考えることで、顧客が「どんな状況で」「何を考え」「どのような行動をとるのか」など、これらを紐づけて考えることができるようになります。

コンバージョンが「問い合わせ」か「購入」か「リピート(購入)」かなどによって、施策は大きく変わりますが、基本的には横軸に「興味・関心」「比較検討」「購入」など、一番初めの出会いから、顧客の購買行動までの段階、また購入後の共有(良い口コミ)までを描いたりします。一方の縦軸には「顧客との接点(タッチポイント)」「行動」「思考・感情」などを記載することで、顧客の状況を適切に捉えたマーケティングのアクションを設計します。そして、ペルソナを深く想定し理解することにより、充実したコンテンツが造成できるようになります。カスタマージャーニーをつくり、さまざまな状況を想定することで、ネガティブな状況でも最善の行動をとることができるというわけです。

 むしろ、カスタマージャーニーマップは、ネガティブな状況において、絶大な効果を発揮すると言っても過言ではありません。あらかじめ、顧客の離脱などのネガティブポイントを予測しておく――たとえば、物販ECサイトにおける「かご落ち(かごに入れたまま購入まで至らない場合)」を予測することで、事前にかご落ち顧客専用のキャンペーンを仕込むなど、購買率を上げるためのさまざまな対策を打つことができるのです。

 このカスタマージャーニーの知識を踏まえ、次回(vol.44/2022年1月)は、いよいよデジタルマーケティングの神髄ともいえる「MA(マーケティングオートメーション)」についてお話しします。

 

寄稿先:データマックス